幼稚園生活3年間 前編

③幼稚園編(3歳から6歳頃)

幼稚園児になるイルカくん。幼稚園の制服を嫌がるので、機嫌のよい日に制服を着せ、制服に慣れてもらうところから始めました。椅子に座る練習もいっぱいしました。入園式当日、何度も練習した甲斐もありご機嫌で制服に着替えて幼稚園まで一緒に行きました。教室に入ると、いつもと違う雰囲気を感じ取ってとにかく私から離れない。しがみつくイルカくんからなんとかカバンと帽子を外させましたが、椅子に座るのは断固拒否。イルカくんの他にも泣いている子が数名いて、泣いてる子はみんなお母さんが抱っこしたまま先生の話を聞きました。時間になったので親は先に体育館へ。泣いてしがみつくイルカくんを先生が抱っこしてくれたので私も遅れて体育館へ行きました。

15分以上時間が立ち、入園式スタート。さっきまで泣いていた子も落ち着きを取り戻し泣きやんでいて、いい子に会場に入ってきました。イルカくんを除いては。イルカくんは泣いたままで先生が抱っこして入ってきました。なんとか椅子に座ったものの、後ろを振り向き私を探して泣きながらお母さーんと叫びまくり、イルカくんの声が響き渡ります。さっきまで泣き止んでいた子も泣き出してしまい、みかねた私はイルカくんを抱いて一旦外に出て、再度約束をしました。いい子に座っていられるならお母さんイルカくんの横にいてあげると。なんとかその約束を守ってくれてイルカくんの声しかしない状況は免れましたが、今度はみんなに聞こえてしまうくらいの声で「これいつまで続くの?」「帰りたい」「まだ?」「長過ぎない?」など失礼な発言ばかり。年長さんの歌のプレゼントや先生紹介にちょいちょいイルカくんの声が混じります。黙って!失礼だよ!そういう事は言ったらダメなんだよ!と教えても関係なし。式が終わる少し前には私は元の席に戻る事が出来ましたが、イルカくんはその後も後ろを振り向き「まだ?」と何回も聞き、そのたびに私はジェスチャーでしーってするんですが効果なし。本当に恥ずかしかったです。

赤ちゃんの時からイルカくんにずっと違和感を感じていました。入園式は夫や義理の母も一緒だったので、「やっぱりイルカくんて他の子と違うよね?このままじゃまずいね」と話しても、息子も同じだったから大丈夫よ。と言うお義母さん。隣で頷く夫。男の子なんてこんなものよと必ず言われる。上の子は女の子なので、そんなものなのかなと自分を納得させていました。

翌日からはバス通園だったのですがバスが来ると泣き出し、慣れるまでに1ヶ月かかりました。幼稚園での困った行動は、集団行動や幼稚園のルールに従うことができない日があった事です。イルカくんの“こうしたい”って気持ちが強い日は、先生を困らせていたようでした。

例えば、一列になってみんなで移動する時に、気になるものを見つけてしまうとずっと触ってしまい前の子が動き出しても前に進まない。先生に注意されても触り続けてしまう。

外遊びの前はトイレに行ってから外遊びをするお約束になっているのですが、イルカくんはトイレに行きたくない!すぐ外で遊びたい!と駄々をこねて、やっとトイレに行く気になった時には外遊びの時間が終わり、結局遊べずさらに泣き出す。

外遊びが終わった後は手を洗うお約束も、汚れてないから洗わないと拒否。早く教室に入らせてと泣く。

こんなことをちょいちょいするのですが、幼稚園は大好き、お友達も沢山いて、みんなと仲良しでお友達の評価は良く、クラスのママ達にも「イルカくんに仲良くしてもらってます。今日もイルカくんと遊ぶんだって幼稚園に行くんです。」など、たくさん声をかけてもらえて、え?え?そうなの?と戸惑う部分がありました。「喧嘩になっていませんか?叩かれたとか変な事されたとか聞いたらすぐ教えてください」って伝えておきましたが、幼稚園の間はおもちゃの取り合い程度でおおごとになる事はありませんでした。お友達パワーがイルカくんの気持ちの切り替えの手助けをしてくれたんだと思います。

そのうちに準備が遅いイルカくんを助けてくれる女の子が現れ、毎年クラスが変わる毎にお世話をしてくれる子がいました。不思議な事に小学5年生になった今でもお世話をしてくれる子がいつも側にいて助けてくれます。小学校に入ってからは男女問わずです。これは、いつもニコニコしていて誰にでも優しいイルカくんの魅力と言える部分なのかもしれません。自閉スペクトラム症のある子には珍しいタイプだと思います。

ですが、家でのイルカくんは幼稚園のようにはいきません。

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おまけ情報⑤

買ってよかった物の一つは、大きなバケツです。

イルカくんは、水遊びしたいけど着替えるのは嫌。水遊びやめる時大泣き。外で水遊びをさせるのは色々面倒な事が多かったので、イルカくんが入れるくらいのバケツを買ってお風呂場で遊ばせることにしました。湯船だと動きすぎてしまい危ないのですが、バケツは自然と動きが制御されるので安全にも繋がりました。100均の水鉄砲が役に立ちます✨このやり方が非常に楽で、水遊びを終わらせる時はバケツにお湯をため、温まらせる事ができ、水・お湯の節約にもなりました。温まっている間に気持ちの切り替えもでき、自分から“もう出る”とやめてくれるようになりました。同じお悩みの方、ぜひ試してみてください。

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