2年生に上がってすぐ、4月の終わりに待ちに待った発達クリニックの初診日がやってきました。検査までの流れは次回詳しくお話し致しますが、2ヶ月の間に3回病院に行き検査の結果、発達障害と診断されました。注意欠如多動症(ADHD)と知的障害のない自閉症スペクトラム(ASD)と言われ、詳しいお話しをしていただきました。たった3回の検査で、イルカくんの得意不得意や傾向などがはっきりわかっていて、本当に驚きました。腑に落ちる事ばかりで、私は喜びすら感じていました。「やっと育て方が見つかった!」本当にそう思いました。
まずは夫に診断結果を伝えました。検査結果の用紙も見ようとしない。怖い顔をして返事は返ってきませんでした。イルカくんの姉である娘にも伝えました。普段から助け舟を出してくれる子なので理解も早く、「やっぱりね」と言われました。私から発達障害かもしれないと聞いてから自分でも調べていたようで、「可能性は高いな」と思っていたそうです。次に自分の両親に伝え、「助けてもらう事が増えるかも」と相談して、清くOKをもらい、現在は助け助けられの関係でいられています。最後に夫のお義母さんに伝えました。私がちょくちょく相談していた時は「男の子なんてこんなものよ」「私もこういう経験してきたから」と言っていたのに、伝えた時に返って来た言葉は「ちょっと何かあるかなとは感じていた」と言われました。「えー!?」って心の中では思いましたが、年に数回預かってくれることもあったので、心境に変化があったのかもしれません。イルカくんのわがままっぷりは加速する一方だったので。その後も協力的で、理解のあるご両親で助かってはいますが、受け入れられていない夫の事を話しましたが、説得をしてくれる事は一度もありませんでした。
夫だけが『息子は発達障害じゃない!』と言い続けた状態で、イルカくんの2年生の生活が過ぎていきました。相変わらず1年生の時と同じままでしたが、お友達に恵まれていて助けてくれる子が多く、お友達と喧嘩になっても仲裁に入ってくれる子や、イルカくんといつも一緒に帰ってくれる子がいたりで、なんとか学校に行けている状態でした。落とし物、紛失が多いので、改善策としてラベルライターを買いイルカくんの全ての物に貼りました。シールさえ貼ってあれは数日後には戻ってきたり、授業参加の時に落とし物が並べられたテーブルから回収できるので、紛失した物が戻ってくるようになりました。もう直るものではないので、こういった対策で乗り切っていました。
この頃に、イルカくんは危機管理能力が低い事に気づきました。例えばお友達が帰りに、ストラップ付きのお家の鍵をグルングルン回していて、周りのお友達は瞬時に危ないと察知してそのお友達から離れるのですが、イルカくんにはその判断能力がなく、そのカギが顔に当たって、当たった所が内出血するほどのケガになったり、傘を振り回して遊んでる子の傘の先が目頭に刺さり内出血して、ちょっとズレていたら失明していたかもしれないケガをしてきた事もありました。いつも周りにお友達がいて目撃した子が先生に話してくれるので、毎回先生から連絡があるのですが、1年生の時からちょくちょく起きていた事ですが、2年生でお友達の力も付いてきた時期で、危ないケガの仕方を立て続けにしていたので、先生と相談し当分の間迎えに行く事になり、2年生の間は結局ずっと迎えに行っていました。
夏休みの間は宿題も全くやらない。言うことも聞かない。「さあどうしよう。母ちゃんの腕の見せ所だな」と思い、まずは物で釣る作戦にしました。シール貼りの台紙を印刷して壁に貼り、頑張ったらシールを貼ってもらう。シールがゴールまで行ったら(シール50個分)“500円を好きなように使っていいよ”にしました。効果絶大で、本当に頑張ってくれました。必ず文句を言ってスムーズにはいかないのですが、なんだかんだ言いながらも気持ちを切り替えてくれていました。シールを貼りたいがために、お手伝いまでしてくれるようになりました。このやり方は4年生に上がるまで続けたくらい効果があり、他にも工夫しましたが、このやり方で漢字の勉強も頑張ってくれていました。ですが、順調にいっていると思っていたのですが、学校では順調ではない事が起こっていました。
12月に面談があり、そこで初めて学校で起きている事を知りました。「実は、夏休み明けから授業中に立ち歩くようになり、お友達にちょっかいを出し喧嘩になるトラブルが続いていて、今では教室から出て行ってしまいます。実は今日も教室から出て行ってしまい、教室に戻りたくないというので、他の先生が付き、空いている隣の教室でテストを受けました。こういう事が毎日起きています」と聞かされました。そして話しはまだ続き「実は今日もお友達とトラブルになり、止めに入ったお友達の腕に鉛筆を刺してしまいました」と聞かされました。衝撃な話しばかりで混乱していましたが、「申し訳ありません。」と謝り、「正直もっと早くに教えてほしかったです」とも伝えました。担任の先生は教員2年目の新人先生でした。もちろん発達障害の事も担任の先生、学校にも伝えていてアセスメントシートにも記入していました。アセスメントシートとは簡単にいうと、本人の症状・状況を記入し、学校側がそれを理解したうえで支援や目的を明確にしていくためのシートです。
「なぜそんなことになっているのか」、「何か原因があるのか」、色々先生と話していて分かった事は、イルカくんは入学当時から何かを触っている子だったのですが、最近は折り紙をし始めたり、はさみを触ったり、お道具箱の中の物を手あたり次第触り、注意しても直らないので、先生が全て取り上げイルカくんの机の中を空っぽにしていたそうなんです。机の上は教科書のみ。筆箱も先生が持っている状態でした。立ち歩く原因はそこだと分かりましたが、決して先生が悪いわけではない事も理解しています。担任の先生に「担任の私と学年主任と特別支援教育コーディーネーターの3人でお話ししたいのですが、時間を作れませんか?早急にこの状態をどうにかしたい」というようなことを柔らかいニュアンスで言われ、私もこの状態はすぐにどうにかしなくてはいけないと考えていたので、「夫も呼ぶので、話しをしたい」と伝え、一週間後に5人で今後の話しをする約束になりました。また、ケガをさせてしまった子の名前を聞いたらいつも遊びにくる子だったので、急いで帰ってみたら遊びに来ていました。
先生に聞いてきた事を話し、「どこケガしちゃったか見せて?」とお願いしても全然見せてくれない。かたくなに「大丈夫大丈夫」としか言わない。これはイルカくんが怒られる事を分かっていてかばってるなと感じたので「イルカくんの事は怒らないから見せてほしい」と伝えた所やっと見せてくれました。肩が少し赤くなっていましたが「ほらね。大丈夫でしょ?刺したんじゃないんだよ。ぶつかっちゃっただけだから」と言うんです。なんて優しいお友達なんでしょう。「そのぶつかっちゃった事、そういう時に鉛筆を持ってる事がダメなんだよ」「ごめんね。見せてくれてありがとう。もしまた痛い事されたら必ず教えてね。」と伝え、夕方お家にも電話をさせてもらいました。再度本人にも謝らせたのですが、お友達のお母さんもとっても優しい対応をしてくれました。
もう二度と同じ事が起きないようにしなくてはいけないと強く思い、その日の夜に夫と話しをしました。学校で起きている事、お友達をケガさせてしまった事、一週間後先生方との話し合いに一緒に行ってほしい事を話しました。そのうえで私としては、これだけの事が起きてしまっているので、特別学級も視野に入れながら考えなくてはいけない事、でもせっかくたくさんのお友達がいて、成績も良いのでできれば今のクラスにいられるような判断をしてあげたい事、そのためには多動を抑える薬を飲む必要があるかもしれない事、それをふまえて発達クリニックに一緒に相談しに行ってほしい事、方向性が見つかるまでは一旦休ませるか、保健室での学習にしてもらうか等を話し合ったのですが、夫は全く話しについてこれませんでした。落ち着きがなく座っていられない子だったので「何かしら習い事をさせて座っていられるようにしたいね」とは話してはいたのですが、野球が良いかサッカーが良いかピアノが良いか、イルカくんに向いている物は何だろうと考えているうちに、すでにこんな事になってしまっていたので、もう習い事がどうという話しではなく、早急に何か手を打たなければまたケガをさせてしまう、お友達からどんどん嫌われていく事になってしまうと夫に伝えても、「だから習い事させようって言ってるじゃないか」としか言わないんです。「じゃあ習い事させるとして効果が出るまでの間はどうするの?直るかどうかもわからない習い事で効果が出るまで学校休ませるの?今学校行かせたって教室から出て行って、先生が追いかけて授業が止まる。みんなに迷惑かけるだけだよ。行かせるの?休ませるの?」と聞いても「だから前から俺は習い事させたいって言ってたでしょ?」としか言わない。本当にここまで話しが通じない人がこの世にいるのかと思うほどでした。私だって習い事の件は賛成ですし、今後も必要だと思っていますが、私だって今日初めて状況を聞いたのに、なんで早く習い事させてないんだみたいな私が悪いような言い方しかしない。この人は状況を何も理解できていないんだと感じたので、一旦習い事のくだりは置いといてもらい、とにかく一週間後の面談までに我が家の方針を決めてから行かなくては、一週間後の話し合いの意味がないと思っていたので、話しがこじれる前に発達クリニックへの相談に一緒に行ってもらうという約束をするだけに留めました。
おまけ情報10
買って良かった物は、ラベルライターです。リコーダーの袋、裁縫道具、絵具セットなど学校の全ての物に貼りました。無くすな落とすなと言っても本人は気づいていないので、落としても見つかるようにしてあげる事が良いかと思います。作り置きのタッパーや鮭フレークの瓶、しょうゆやみりんなどにも作った日付や開けた日付を貼ったりできます。シールの柄が選べるので2,3種類くらい持っていると用途に応じて作れるので便利です。我が家はディズニーが好きなのでミッキーのラベルライターを使っています。名前が貼れない小さい物にはミッキーマークのシールを作って貼っています。ラベルライターは色々な種類がありますので、好みの物がきっと見つかると思います✨
【テープおまけ付き】ラベルライター ブラザー ピータッチ キャラクターモデル ミッキーレッド P-TOUCH 本体 PT-J100MCR 価格:5390円 |